株式会社名古屋画廊

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株式会社名古屋画廊
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄一丁目12番10号
TEL.052-211-1982
FAX.052-211-1923
 
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198564
 

展覧会のご案内

 

企画展開催スケジュール

企画展開催スケジュール
 
2017年12月1日(金)-9日(土) 田口 貴久 展
2017-09-26
《赤い風景》 80号
田口 貴久 展 YOSHIHISA TAGUCHI
-強靭な画面の構築-
12月1日(金)-9日(土)
 
レセプションご案内:初日 5:30p.m.-7:00p.m.
田口先生を囲んでレセプションを開催いたします。
皆様のご来駕をお待ち申し上げます。
 
【関連講演会】「セザンヌやゴッホに影響を与えたもの」
講師:田口貴久 12月2日(土) 11:00a. m.~12:00p.m.
アート倶楽部カルチェ・ラタン、名古屋池下
URL:http://www.quartier-latin.jp Tel.052-751-8033 ※要予約
 
田口貴久氏の造形 
 グレーを基調として幾何形態に主眼を置いたかと思えば、朱赤が画面を占める情感的な作品も手掛ける。田口氏の造形は直線と曲線、線と面など対極する最小限の要素を効果的に組み合わせ、張りのある強靭な画面を構築している。
モチーフは机やイス、ポットや瓶、果物、バイオリンなど、オーソドックスな静物であり、平明で構成に主眼を置いた画法は愛知県立芸術大学大学院時代に学んだ島田章三や笠井誠一の影響が伺える。その造形理論はブレることなく、その後はコンクールやグループ展を中心に精力的な発表活動を続けてきた。
 学生時代は人物と風景を同列に組み合わせてもいるが、その後、より洗練された構成となりセザンヌの造形理論や、モランディやニコラ・ド・スタールを髣髴とさせる、油絵具の特性を生かした画面を構築してきた。
近年は、色彩や形態に“しなやかさ”も加わり、より深奥な世界が感じられるよ
うになった。氏の新たな世界と出会えることを期待している。
森田靖久(豊川市桜ヶ丘ミュージアム学芸員)
 
略歴
1953/愛知県豊川市生。76/名古屋芸術大学卒。78/愛知県立芸術大学大学院修了。83~95/アッサイ21展(愛知県美術館等)。85~92/名爽会展(名古屋画廊)。86/ジャパン絵画大賞展〈佳作〉。93~13/名古屋画廊個展7回。94~95/滞仏。2000~02/和の会招待出品(銀座 和光)。04/田口貴久展(網走市立美術館)。07~/笠の会展(松阪屋)。14/ヴェロン展(一宮市三岸節子記念美術館ほか)。個展:ギャラリー和田、名古屋松坂屋、高輪画廊ほか。現在/立軌会同人、名古屋芸術大学教
 
 
 
2017年11月17日(金)-25日(土) 赤塚 一三 展
2017-09-26
《碧い風景》 80号
赤塚 一三 展 KAZUMI AKATSUKA
-静謐な安定と馥郁とした余韻-
11月17日(金)-25日(土)
 
レセプションご案内:初日 5:30p.m.-7:00p.m.
赤塚先生を囲んでレセプションを開催いたします。
皆様のご来駕をお待ち申し上げます。

【関連講演会】「絵とタンペラマン(気質・体質)」
講師:赤塚一三 11月18日(土) 11:00a. m.~12:00p.m.
アート倶楽部カルチェ・ラタン、名古屋池下
URL:http://www.quartier-latin.jp Tel.052-751-8033 ※要予約
 
 
赤塚一三展に寄せて
 「風景が身体にしみ込むまでは描けない」と赤塚さんは言う。風景にしろ静物にしろ、無数のデッサンと弛まぬ思考を重ね、対象はゆっくり変化する。フォルムも色彩も画家の内部でみがかれ、純化され、やがて静かな秩序を生み出す。それは即興的な表現ではなし得ぬ、静謐な安定と馥郁とした余韻が広がる世界だ。
 もともと知的な構成のなかに独自の叙情を漂わせる作品で知られた。それが、1995年から3年におよぶ滞仏生活を経て、構成と色彩がさらに洗練された。フォルムは自律し緊密な構成が生まれ、色彩は光を孕んで内発的な輝きをみせる。これにより、風景も静物もリアリティーを確保しながら、ある種の象徴性をおびる。不断の造形思考と、新鮮な詩的感動の幸福な一致だ。近年、あまり出会うことの少なくなった、豊かな造形詩の世界である。
土方明司(美術評論家・平塚市美術館館長代理)
 
略歴
1956/岐阜市生。80/愛知県立芸術大学卒〈桑原賞〉。82/同大学院修了〈修了制作買上〉。83~95/アッサイ展(愛知県美術館等)。85~93/名爽会展(名古屋画廊)。92/ルイーズ=ミッシェル展(パリ)。二人展(マドリーヌ寺院)。93~06/個展(銀座 ギャラリー和田)。94~名古屋画廊個展8回。95/前田寛治大賞展(日本橋髙島屋・倉吉美術館)。95~97/愛知県海外研修生として滞仏。97/個展(パリ、キャピタルギャラリー)。97・98/21作家展(パリ、キャピタルギャラリー)。00~02/風景の見え方展(長久手市文化の家)。04~/ものの見え方展(長久手市文化の家)。06/損保ジャパン東郷青児美術館大賞展招待出品。07~/笠の会展(松阪屋)。09~/實の会展(日本橋髙島屋)。現在/写実画壇運営委員。
 
 
 
2017年11月2日(金)-11月11日(土)水野 朝 展
2017-09-26
《子どもたち》 1976年頃
水野 朝 展 ASA MIZUNO
-森羅万象に向けられた慈しみの眼差し-
11月2日(木)-11日(土)
 
レセプションご案内:初日 5:30p.m.-7:00p.m.
水野先生を囲んでレセプションを開催いたします。
皆様のご来駕をお待ち申し上げます。
 
【関連講演会】「中村正義先生と私」
講師:水野朝 11月4日(土) 11:00 a. m.~12:00p. m
アート倶楽部カルチェ・ラタン、名古屋池下
URL:http://www.quartier-latin.jp Tel.052-751-8033 ※要予約
 
水野朝さんのこと 竹内浩一
 朝さんと会うと心がおだやかになる。親しくなって三十年はたつのだろうか。彼女の邪心のない絵は魅力的だ。天性の才能だろうか、イマジネーションは湧く水のように途絶えず神羅万象に向けられた慈しみの眼差しからつぎつぎと絵が生まれる。明るい色の塗り重ねからのハーモニーが心地いい。造形も直感のセンスが不思議な絵柄を構成する。確かに師の中村正義に大きな影響を受けている。だが、反骨精神を具現化する奇想のおどろおどろしい絵とは違う。一休の狂乱や明末清初の八大山人の諷刺でもない。朝さんの絵は独自であくまで自然だ。初期の作品「黄色いさかな」や後年の「佛様」そして「父」は印象深い。詩がいつも絵と共にあるのも心をなごませてくれる。日常の生活感情の一片がピックアップされている。何でもないものたちに歓びそして哀愁をこめる。そんな中にメッセージ性のつよい詩があるのに驚かされる。道理に反することは許せないだろう、そっと、師ゆずりの正義感がうかがえる。達観した心情が伝わってくる詩があった「あれか、これか、あれも、これも」禅の問答のような九識の境地がみられる。何時だったか、円山公園にある龍馬像を描きに行くので帰りに画室を訪ねたいと電話をもらった。二日間かけ何十枚もの龍馬像と公園界隈の寸描をみせてもらった。リズムのある筆タッチは臨場感にあふれその気迫に圧倒された。ねだって一枚いただいたがいまも画室の壁に飾っている。驚いたのはそのとき足を骨折されていた。痛みを堪えての写生は何という執念だろうか。 (日本画家)
 
略歴
1945/名古屋市生。59/中村正義に師事。68~73/個展(日本画廊〈東京〉)。75~ 79/東京展(東京都美術館)。81/個展(マエダ画廊〈名古屋〉)。82/個展「水野朝―素朴で原始的なフォーブの華」(羽黒洞企画〈東京〉)。96/個展「水野朝-ヒマラヤを画く-」(ギャラリーHAM〈名古屋〉)。97/詩集『露を踏んでいく足元』刊行(以後、計9冊の詩集を刊行)。05/個展「水野朝-描き続けるということ-」(羽黒洞〈東京〉)。13/自選作品集『これがわたくし・朝』刊行。17/没後40年記念 中村正義をめぐる画家たち(10月7日~12月3日、名古屋市美術館)。
 
 
 
2017年10月21日(土)-28日(土) 巨匠にみる「絵とは何か」展
2017-09-26
山口薫《あやこ 正月》1954年 8号
巨匠にみる「絵とは何か」展
-併催:山口薫展-
10月21日(土)-28日(土)
 
画家の眼差し―山口薫《あやこ 正月》によせて
 画家の愛娘を描いた詩情溢れるこの絵は、しかし決して情に流されることのない制作の本質が捉えられていると思います。
柔らかい色彩と筆使いでありながら、しかし黒色を基調とした顔のふっくらした大摑みな線に囲まれた少女の顔は、喩えようもなく美しく輝く白で描かれていて、両頬の淡いピンクが濃淡であることに、作品が単調に陥ることのないようにとの制作意図が感じられます。おおらかに黒い絵の具で描かれた丸髷を連想させる、画面を強く柔らかく引締めている豊かな黒髪の表現は、少女の目もと口もとのシャープな、そしてデリケートな表情を余すことなく表しているようです。
 頭部の背景に色どられた金泥を思わせる黄色は、右奥などの赤い色と相俟って作品のテーマ「あやこ 正月」の華やぎを見る人に伝えています。画中に、デッサンに使う木炭の描線が見られますが、この絵が描かれた1950年頃から次第に多用されて、その後の若い画家たちに新鮮な影響をもたらして大流行となったほどです。
 東京美術学校を卒業した年に渡仏し、ヨーロッパの文化を吸収して日本文化と融合した絵画を目ざした、その成果がこの絵に感じられます。
大津英敏(洋画家)
 
 
 
2017年10月12日(木)- 18日(水) 大島 哲以 展
2017-09-26
《けもののまつり》 1965年
大島 哲以 展 TETSUI OSHIMA
-現実を想像の中に見ようとした歩み-
10月12日(木)-18日(水)
 
作者のことば 
 私が果てしなく長い夜の旅に発ってから、幾歳月が経ったであろうか? 失われた時の墓碑であるこれらの作品群は、現実を、眼で見る世界で無し、想像の中に見ようとした歩みの道標でもあった。
 昼の光の中に身を置く者に、白日がさだかに認められないのに比べ、闇に射しこむ一条の光は、何にも増して美しく、明るく見える事を人は識るべきだと思う。
 今から二千年の昔、キリストは人類の為に、総ての罪を負って死んだと思われているが、彼は其の後、救い甲斐の無い人間に愛想を盡かし、十字架の釘から手足を引抜き、天なる神の元に帰った事を知る人は少ない。それ以来吾々は自分の血で、涙で、自らの罪を贖わねばならなくなったのだ。
 画家は此の事を、誰よりも先づ、身を以て体得しなければならない立場にあるのではないだろうか?
 愛しもせず、信じてもいない、又無関心ではあるが、たゞ、大切なもの、此の宿命を負った人間が生きている事に深く感動することが出来るひとに、私は、今後も語りかけて行きたいと思っている。
大島哲以(『日本の幻想絵画の明星 大島哲以展』1973年より)
 
略歴
1926年名古屋市生。48/中村貞以に師事(54まで 院展出品)。60~ 69/新制作展。64・66・68・71/現代日本美術展。66/朝日秀作美術展。67/ジャパン・アート・フェスティバル(アメリカ)。今日の作家67年展。第9回日本国際美術展。69/「日本画の新人展」(京都国立近代美術館)。70/万国博美術館「日本画の幻想展」。71/「今日の日本画」展。71~72/文化庁在外研修員として滞欧。71/ウィーン工芸大学でウィーン幻想派のフッターやフックスに師事。73/日本幻想絵画の明星~大島哲以展(日本橋三越)。74/中村正義・星野眞吾らと从会を結成(81まで出品)。99/逝去(73歳)。
 
2017年9月30日(土)-10月7日(土) ジル・サックシック展
2017-09-26
《水銀色のポロネギ》 60*76cm
ジル・サックシック展 GILLES SACKSICK
-深く静謐な世界を描く執念-
9月30日(土)-10月7日(土)
 
【関連講演会】「吾が友、ジル・サックシックとの歩み」
講師:土井隆志(美術評論家) 9月30日[土] 11:00 a. m.~12:00p. m
アート倶楽部カルチェ・ラタン、名古屋池下
URL:http://www.quartier-latin.jp Tel.052-751-8033 ※要予約
 
深く静謐な世界を描く執念  
 フラッシュで目がくらみ、ボリュームいっぱいの騒音で耳を聾された我ら現代人の関心をひくのは、もはや容易ではない。マスメディアの手を借りないことには我々のたるんだ琴線をふるわすことはできないのだ。しかもそこにはオブラートに包んで呑みやすくした起爆剤も巧い具合に仕込まねばならない。いまやそれはどんな領域にも共通しているように見える。ますますエスカレートするゲームと金切り声から、絵描きでさえ免れられない。映画にひとあし遅れて絵画もトーキーになった。その結果、聞く者に劣等感を与える言い回しで勝手な個性を主張する、はったりだけの絵描きが世にあふれた。彼らの口の端からこぼれ落ちる言葉をいくつか拾い集めるだけでも、おおいに役立ちそうだ。「時間的構造化」、「直観的主観性」、「個別的心理現象学」、もちろんまだまだある。たまたま拾いあげるそんな言葉だけで、文章はいかにもそれらしく、知的かつ手短かにまとまるに違いない。だがわたしは、その手を諦めざるを得なかった。そもそも勘違いばかりのエリートを喜ばせる気などなく、犠牲覚悟でいっさいの妥協を拒むサックシックにそんな欺瞞は通用しないからだ。常人ならば、木っ端微塵にくだかれただろう厄介な大渦に巻き込まれたというのに、彼は深く静謐な世界を描く執念とともに再びおもてに浮かび出た。自分を取り巻く現実にかかずらうことなく生みだされる作品こそ、真のフィクションとはいえないだろうか。
ロベール・ドワノ(写真家)
『芸術家たちの肖像 ロベール・ドワノ写真集』
(2010年、岩波書店、堀内花子訳)より抜粋
 
略歴
1942/パリ生まれ。68/初個展。以来、個展を中心に発表活動(ロンドン、ニューヨーク、東京、大阪、名古屋画廊〈2007〉等)。79/ポール=ルイ・ウェイエール肖像画大賞を受賞。79- 81/カーサ・ヴェラスケス(マドリッド)に寄宿生として滞在。87・2000/個展(ゴヤ美術館、キャストル)。93/個展(サン・タニェス礼拝堂、パリ)。97/個展(ブールデル美術館、パリ)。02/アンドレ・ドテール「ル・シェルシュール・ドール」出版記念展(シェ・アール・エ・リテラチュール、パリ)。04/「親密なる動物寓話」展(フラゴナール美術館、メゾン・アルフォール)。映画「サックシック・エ・ラ・クルール・デュ・タン」が第28回国際ユネスコ芸術映画祭審査員推薦映画に選出され上映される(パリ)。17-18/ジル・サックシック展(11月7日~1月14日、東御市梅野記念絵画館、長野県)
 
 
2017年7月8日(土)-7月15日(土) 伊津野雄二 展
2017-07-01
《風の砦》(部分)
伊津野 雄二 展 YUJI IZUNO
-沈黙の詩が聴こえる-
7月8日[土]-15日[土]
 
沈黙の詩が聴こえる
 夕刻、灯りを落とす前、展示室を一廻りし、“異常なし”と呟き扉を閉める―帰宅前の決め事です。展示室の高い位置から照らすライトが、まぶたの下に柔らかな陰をつくっています。顔を寄せると、その奥には薄蒼く瞳が刻まれてあり、伏し目がちに静かに一点を見据えているのです。その眼差しの強さに思わずうろたえます。不意に作家の情念の芯の部分に触れてしまった気がして。口元に視線を落とします。気品と慈しみを宿した唇は細く開かれ、漏れ出るのは悠久のときを生きる呼吸でしょうか。母なる者の命の鼓動でしょうか。照明を落とせば翌朝までの闇の空間です。その間、暗い静寂の中では木彫たちの吐息が漂うのです。きっと。
佐藤 修(東御市梅野記念絵画館館長)
 
略歴
1948/兵庫県生まれ 69/愛知県立芸術大学美術学部彫刻科中退 75/知多工房を設立 木彫、家具木工芸を手がける 80年代より建築、装飾美術を手がける 75‐88/知多工房として個展 彫刻個展:97/豊田市美術館ギャラリー 98/煥乎堂ギャラリ(前橋市) 00/名古屋画廊(以後6回) 2001~/ギャラリー椿(東京)、日本橋髙島屋、新潟絵屋、ギャラリー島田(神戸) 17/東御市梅野記念絵画館
 
2017年6月26日(月)-7月3日(月) 大澤鉦一郎展
2017-06-23
《童女》38.5*38.5㎝
愛美社結成100年・画集刊行
大澤 鉦一郎 展 SEIICHIRO OSAWA
-細密から簡素へ-
6月26日(月)-7月3日(月)
 
大澤鉦一郎の写実絵画:細密から簡素へ
 大澤鉦一郎の芸術を語るとき、つねに大正期の細密描写による写実絵画に焦点が合わされてきた。
 確かに、岸田劉生の草土社への対抗心をもって結成された愛美社の第1回展出品作の《自画像》(愛知県美術館蔵)には、この画家の強靭な意志が刻まれている。自己を冷静に見つめる細密描写という以上に、自己を叱責するかのような厳しい写実表現が感じられる。そこには現実にある自己ではなく、理想としてあるべき自己の姿が描かれている。
 これ以降、常滑や名古屋の風景、卓上の林檎や蜜柑、身近な少年や少女、花瓶の白菊や水仙、そして最愛の妻その子をモデルとして、細密描写による写実絵画を制作するが、その再現性が高まるとともに、象徴的な光による明暗表現が強調されるようになる。大澤は、存在の不思議に感動する劉生とは違って、存在を理想的に演出するのである。
 大正期の後半には、日本画へ接近するなど、西洋的な細密描写から離れ、昭和期には、簡素で平明な形態表現へ移行して、戦後を迎えると、太く伸びやかな輪郭線を特徴とする独自の画風を確立した。
 この対象の形態の極限的な簡素化にこそ、意志的な写実絵画を探求した大澤鉦一郎の芸術の真の到達点があるのではないだろうか。
山田 諭(京都市美術館学芸課長)
 
 
略歴
1893/名古屋市生 1912/東京高等工業学校図案科にて松岡寿に学ぶ 14/肺を患い同校を中退し愛知県知多郡にて療養。文芸雑誌『白樺』等をたよりに絵画を独学17/岸田劉生らによる「草土社」名古屋展に触発され「愛美社」を宮脇晴らと結成 19・20・21/愛美社展 1928/春陽会初入選 32/春陽会賞第2席受賞 46/第1回日展〈特選〉49/春陽会会員 60/大澤鉦一郎画業50年記念展(春陽会名古屋展会場) 73/逝去(80歳)。大澤鉦一郎/人と画業展(知多市公民館) 76・93・08/大澤鉦一郎展(名古屋画廊)
 
2017年5月19日(金)-31日(水) 久米亮子展
2017-04-19
《moment》72.7*72.7㎝
久米 亮子  展 -moment-
RYOKO KUME
5月19日(金)-31日(水)
 
久米亮子の世界
 生命体らしきものが、透明感のあるアクリルで描かれている。まるで、芯にみなぎるエネルギーがかたちをむすんで花開き、かろやかにふくらんだよう。そのふくらみは、花弁のように空気を内に包み込んで力を充溢させたかと思うと、時に水に放ったインクのように画面から外へと流れ出す。カンヴァスを超えて広がる絵画空間は、身体感覚に訴えてなんとも心地よい。例えるなら、風を受けた薄いベールが肌を撫でる感触であり、ゆったりと流れる水の中にわが身を浸した心持ちである。以前から久米は花弁を連想させるモチーフを画面の一部に登場させることはあったが、時を経て、それは主役となった。色彩の微妙な濃淡に神経を行きわたらせ、隣り合う色と色が生みだす緊張関係が慎重に追求されている。浮遊感漂う画面は、生あるもの皆すべてそうであるように、ゆるやかに動いている。全身を包みこむこの柔らかな感覚に、見る者は母親の胎内に守られているかのような安心感を抱くだろう。
 これまで一貫して明るく、美しく、未来への希望を感じさせる作品を追求し続けてきた久米。その根底にあるのはゆるぎない生への肯定だ。「その一瞬、心が幸福感にみたされる、そんな絵を描きたい。」そう語った彼女は、今回もまたしなやかな生命の泉を見せてくれるに違いない。
喜田早菜江(清須市はるひ美術館元学芸員)
 
略歴
1991/文化庁現代美術選抜展 93・95・97/ビエンナーレまくらざき<93佳作賞> 94-08/個展(ギャラリー山口〈東京〉) 97-/個展(名古屋画廊) 97/VOCA’97(上野の森美術館) 99/夢広場はるひ絵画展〈奨励賞〉(はるひ美術館)、久米亮子展(はるひ美術館) 02/ArtScholarship2001<現代美術賞>(本江邦夫部門) 05/光りの絵画展(名古屋画廊) 11/個展(ハートフィールドギャラリー〈名古屋〉) 12/個展(ART NAGOYA 2012) 12・14・16/個展(ギャルリー東京ユマニテ〈東京〉)15/flowers(高島屋新宿店美術画廊)
 
 
2017年4月15日[土]-26日[水]中西夏之 展
2017-03-01
《中央の速い白 ZZⅡのe》 1991年
中西夏之 展 NATSUYUKI NAKANISHI
-生命の維持体としての〈白〉-
4月15日[土]-26日[水]
 
生命の維持体としての〈白〉
 中西夏之は昨年10月23日、81歳の生涯を終えた。生存中、最後となった当画廊での「中西夏之展―思考の見えざる矢」(9月23日から10月8日)が終わった僅か2週間後のことで、その急訃の衝撃が今なお消え去ることなく、彗星の尾のように胸を揺るがし続けている。前回は1980年前後の代表作・弓形シリーズなどを中心とした作品が呼び戻された展示だったが、今回はそれに引き続いて1987年から91年の作品《白いクサビ・日射しの中で》あるいは《中央の速い白》シリーズの作品が中心となり、それに加えて連作の隙間を埋めるように制作をされた小ぶりながらそれぞれが大作を下支えする絵画作品が展示される。
 とくに中心になるシリーズ作品には、いずれも〈白〉を意識の主体に浮上させたタイトルが付けられている。《白いクサビ》とは画面への白の介入を意識し、《速い白》とは絵画空間に時間的要素を汲み入れた概念を想像させる。中西の絵画作品に出現した紫や黄緑の色彩が画面に脈動を与えることになったのは前回の展示でも明らかなのだが、生命の維持体には必ず微妙な調整役を必要とする。中西はその役割を〈白〉に見出したのではないだろうか。
 今回の展示作品も中西の絵画表現がたどりついた重要な道程の断面として重要な作品ばかりである。美術家・中西夏之の逝去を悼みつつ、その多様な遺業をふり返る機縁となることだろう。
 馬場駿吉(名古屋ボストン美術館館長)
 
略歴
1935年東京生まれ。初期の前衛的活動の後、60年代後半からは絵画制作が仕事の中心に据えられている。その作品は、様々な主題や要素への取り組みが連鎖、関連し、複雑に影響し合って成り立つという非常に独創的なものであり、常に日本を代表する作家として存在感を示してきた。近作「連れ舞」シリーズ。また、絵画を主体としつつも、インスタレーションやパフォーマンス、リヨン・オペラ座などの舞台装置を手がけるなど、その表現形態は幅広い。これまでに美術館での個展を数多く開催、主要な美術館に作品が収蔵されている。近年では2012年にニューヨーク近代美術館での「TOKYO1995 -1970:新しい前衛」展へ出品、2013年には国内で「ハイレッド・センター:「直接行動」の軌跡」展が開催されるなど、初期の活動も再注目されている。2016年、逝去
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