株式会社名古屋画廊

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株式会社名古屋画廊
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄一丁目12番10号
TEL.052-211-1982
FAX.052-211-1923
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展覧会のご案内

 

企画展開催スケジュール

企画展開催スケジュール
 
2019年4月17日(水)-5月11日(土) 上 田 薫 展
2019-04-01
《サラダE》 2014年
 
上 田 薫 展
KAORU UEDA
-絵は「目の錯覚」-       
4月17日(水)-5月11日(土)’19
10:00a.m.-6:00p.m. 
休廊:日祝および4月27日(土)~5月6日(月)

【関連講演会】「写真から絵画への旅―三尾公三と上田薫」 講師:佐々木豊
4月17日[水] 15:30 ~16:30 アート倶楽部カルチェ・ラタン 名古屋池下
URL:http://www.quartier-latin.jp Tel.052‐751‐8033 ※要予約
 
90歳の超リアル作家-絵は「目の錯覚」
――ずっとリアルな絵を描き続けておられますね。
上田薫:「本当はリアルじゃないですよ。抽象絵画です。生卵が割れて、中から黄身や白身が落ちている瞬間を描いたシリーズがありますが、そんな瞬間誰にも見えない。しかも、撮影のときは、100個も200個も割って、白身に、窓枠とかいろんなものが映り込むようにしています。シャボン玉やゼリーなども同じです。写真を撮るときから作っていて、リアリズムとはすごい違うんですよ。まあ、抽象画でもリアリズムでも、描くときにはどっちでもいいんですが。絵空事っていう言葉がある通り、絵は人間の錯覚を利用したいかさまなんですよ」
『朝日新聞』(デジタル版2019年1月10日)インタビュー:大西若人(編集委員)

              
略歴
1928/東京都生。54/東京藝術大学卒業。56/MMG社ポスター国際コンクール<国際大賞>。58/個展(南画廊)。72~77/ジャパン・アート・フェスティバル<75/優秀賞>。74/日本・伝統と現代(デュッセルドルフ美術館)。75・76現代日本美術展<75/東京国立近代美術館賞76/群馬県立近代美術館賞>。75・78/安井賞展。77~84/国際形象展。79~84/明日への具象展。84~88/具象絵画ビエンナーレ。2000/日本美術の20世紀(東京都現代美術館)17/上田薫展(神奈川県立近代美術館葉山)18/上田薫展(名古屋画廊)
 

 

 
 
 
2019年4月5日(金)-4月13日(土)  三岸節子|花|小品展
2019-04-01
《花(ヴェロンにて)》 油彩・キャンバス
 
没後20年
三岸節子|花|小品展

-花より花らしく-
同会期併催(2階会場)織田廣喜小品50選展―えのぐ色の空の下・巴里
4月5日(金)-4月13日(土)’19
10:00a.m.-6:00p.m. 日・祝休廊
 
【関連講演会】「祖母・三岸節子のこと」 講師:三岸太郎
4月6日[土] 14:00 ~15:00 アート倶楽部カルチェ・ラタン 名古屋池下
URL:http://www.quartier-latin.jp Tel.052‐751‐8033 ※要予約
 
花より花らしく     
一茎の花を咲かせるにも、たえずそそがれる愛の心がなくては満足な開花はありません。一枚の作品を描きあげるにも、水を、肥料をやり、雑草をのぞかねば美しい花を見ることができぬと同様、満足な作品はできないと信じてをります。
 ただ、美しい花を、あるがままにうつしとるのでは、花のもつ不思議さも、生命も、画面に見出すことは困難でせう。いかほど迫真の技術を駆使しえても、ほんものの、一茎の花に劣リませう。
 花よりもよりいつそう花らしい、花の生命を生まなくては、花の実体をつかんで、画面に定着しなければ、花の作品は生れません。
 つまリ私の描きたいと念願するところの花は、私じしんのみた、感じた、表現した、私の分身の花です。この花に永遠を封じこめたいのです。
 生涯自信のもてる一枚の花を描きたいのです。
         三岸 節子(三岸節子著『花より花らしく』(1977年、求龍堂)「花より花らしく」<1965年>より抜粋)
  
               
略歴
1905/愛知県中島郡小信中島村(現・一宮市)生。21/愛知淑徳高等女学校(現・愛知淑徳高等学校)卒業。岡田三郎助に師事。24/女子美術学校(現・女子美術大学)卒業。三岸好太郎と結婚。25/第3回春陽会展初入選。第3回サンサシオン展「推薦出品」。32/第2回独立展初入選。34/好太郎、名古屋で急逝。39/新制作派協会(現・新制作協会)会員。51/第1回サンパウロ・ビエンナーレ(サンパウ口近代美術館)出品。54~55/滞欧。50年代後半~60年代/「ハニワ」連作から「火の山にて飛ぶ鳥」連作、「太陽讃」連作へと展開。68~89/南仏カーニュ(6年間)、ブルゴーニュ地方ヴェロン(15年間)に在住しながらヴェネチアやスペインなどにも精力的に制作旅行。94/文化功労者。99/逝去(享年94歳)。
 
 

 

 
 
 
2018年1月7日(月)-1月17日(木) 脇田和 小品 展
2018-12-27
≪太陽の中の鳥≫ 0号
 
脇 田 和 小 品 展
―鳥、飛翔のとき―
1月7日(月)-17日(木) ’19
 
略歴
1908/東京都港区青山に生まれる。23~30/滞独・ベルリン国立美術学校に学ぶ。32~36/太平洋画会・光風会・帝国美術院展等に出品。1936/猪熊弦一郎、小磯良平らと新制作派協会を創立。1943/新制作派協会小品展(名古屋美交社)。1947/第1回現代美術総合展(東京都美術館)。52~56/ピッツバーグ国際展、サンパウロ国際ビエンナーレ、ヴェネツィアビエンナーレ、グッゲンハイム国際美術展(パリ国立近代美術館)<日本国内賞>等に出品。1955/第3回日本国際美術展(東京都美術館)<最優秀賞>。1955年ベスト3(読売新聞)に最高点で選出される。1956/第7回毎日美術賞。1959/東京芸大に勤務 68年同大教授 70年退官。1961/春秋会展(名古屋画廊)。1969/現代美術20年の代表作展(東京都美術館)、ホテルナゴヤキャッスルのロビーにモザイク壁画作成。1972/戦後日本美術の展開・具象表現の変貌展 (東京国立近代美術館)。1974/脇田和展1960-1974(セントラル美術館)。1977/日本洋画を築いた巨匠展(神奈川県立近代美術館)。1979/日本近代洋画の歩み展(愛知県美術館)。1982/近代日本の美術1945年以後展(東京国立近代美術館)。85~91/綾杉会展(名古屋画廊)。1986/脇田和展(神奈川県立近代美術館等)。1988/脇田和自選展(名古屋画廊等)。1991/軽井沢に脇田美術館を開館。1992/名古屋画廊創業50周年記念脇田和近作展(名古屋画廊)。2001/名古屋画廊創業60周年記念脇田和の世界展(名古屋画廊)。2005/逝去(97歳)。
 

 

 
 
2018年10月19日(金)-11月2日(金) 矢橋 頌太郎 展
2018-09-15
《VIEW-30》油彩・キャンバス
矢 橋 頌 太 郎 展
SHOTARO YABASHI
-頭上漫々-
10月19日(金)-11月2日(金)
 
レセプション:初日 5:30p.m.-7:00p.m.
皆様のご来駕をお待ち申し上げます。
作家在廊:19(金)、20(土)、27(土)
 
【関連講演会】「 現在と彼方の視角」 講師:矢橋頌太郎
10月20日[土] 10:30 ~11:30 アート倶楽部カルチェ・ラタン 名古屋池下
URL:http://www.quartier-latin.jp Tel.052‐751‐8033 ※要予約
 
展覧会によせて
 ひとりの画家が、その作品のスタイルを確立するまでには、いくつもの試行錯誤を重ねながら、長い時間を費やし、苦悩の末に自らの画風を手にする。
 矢橋頌太郎の場合。人間の頭部を真上から捉えた一風変わった作品を描く。頭部だけに焦点を当てて描き続ける作家も稀であろうが、それがこの画家のスタイルであり、独自性なのである。だが、それは絵の表面、つまり絵面としての独創
性であって、この画家の心の奥に潜む何ものかを示すものではないだろう。画家とは、その根底に何を置くかによって画家と成り得る。つまり、目に見える事物をどう表現するかも重要だろうが、何を描き、そこに何を託したいかということが、もっとも肝心なことなのだ。矢橋が頭部を描き、そこに込めようとしているものは、頭という姿を借りて、自身の内面を深く見つめようとする精神世界に思いを向かわせることにほかならない。
 この画家の絵画について語るとき、それが基準であり、視点でもある。矢橋という画家が何を見つめ、どこへ向かおうとしているのか、ということである。
 ともあれ、矢橋頌太郎の今後の活動に期待する。そして、多くの人々にその魅力を知っていただきたいと願っている。
               柳原正樹(京都国立近代美術館長)
略歴

1989/岐阜県大垣市生。2011/武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。五美術大学卒業制作展(国立新美術館)。12/現代美術の新世代展〈優秀賞〉(極小美術館、岐阜県)。13/「リアリズムの深層」展(極小美術館)。14・16/個展(極小美術館)。個展(ギャラリーうちやま)。15/富山トリエンナーレ2015 神通峡美術展〈優秀賞〉。ミズマクおおがき2015 Starting Point(スイトピアセンター)。16/宇宙の連環として2016(極小美術館)。17/現代美術の新世代展(極小美術館)。

 
 
 
2018年10月5日(金)-10月13日(土)巨匠にみる「絵とは何か」展
2018-09-15
今西中通《少女》27.3×22.0cm
巨匠にみる「絵とは何か」展 No.20
併催:気になる絵・絵心の絵・一期の絵・展覧会
*出品予定作家
木下孝則、前田寛治、今西中通、山口薫ら。
10月5日(水)-10月13日(土)
 
■…私が初めて今西中通を見たのがいつで、それが中通のどの作品だったかがどうしても思い出せない。ただ、私は画廊をやりだしたそもそもの最初から中通、中通と騒いでいたようで、私のほうは忘れているが、昨年の秋高松で開かれた私のコレクション展のカタログに、土方定一氏が「銀座の現代画廊が洲之内君の経営になってからは、今西中通とか古茂田守介とかマイナー・ポエットの作品をその現代画廊で扱い、自分のコレクションの中に入れていた」と書いている。そういえば、その頃私の画廊に中通のフォーヴィズム風のサムホールの風景や、ピカソの古典派時代を思わせる裸婦の小品が、どうしても売れなくて、また売る気もなくて、長いあいだ掛っていたのを思い出す。
                            洲之内徹
(「失われた手紙」『セザンヌの塗り残し 気まぐれ美術館』新潮社、1983年より)
※本案内状おもて面の今西中通《少女》3F(27.3×22.0cm)1947年は、同書および『芸術新潮』(1980年2月号)、『気まぐれ美術館―洲之内徹と近代美術―』(目黒区美術館ほか、1997年)に図版掲載あり。
 
今西中通略歴
1908/高知県生。27/上京。一九三〇年協会研究所等で学ぶ。31/第1回独立展。35/独立展〈D賞〉。47/独立美術協会会員。逝去。81/今西中通展(名古屋画廊)案内状で伊藤廉が「今西君の作風はその人柄のように、ものにまともにぶつかってゆくというふうな様子があって、線は太く逞しいところがあって、外皮にはどこかフォーヴィズムやキューヴィズムのような表現方式があったが、その間に、フューネッスな感覚が包まれていたように思っている」と述べる。
 
 
 
 
 
2018年9月26日(水)-10月2日(火) 元永 定正 展
2018-09-15
《しろいひかりしかくとこまがり》
元 永 定 正 展
SADAMASA MOTONAGA
-でっかいやさしさ-
9月26日(水)-10月2日(火)
 
【関連講演会】「 元永定正のでっかいやさしさ アカディミズム番外地」 講師:高北幸矢
9月22日[土] 15:00 ~16:00 アート倶楽部カルチェ・ラタン 名古屋池下
URL:http://www.quartier-latin.jp Tel.052‐751‐8033 ※要予約
 
自然と制作
私の抽象作品はかたちを描くことから始まったが、そのかたちはやっぱり自然の中から見つけている。地球といっても、宇宙といっても同じことなのだが、私のすきなかたちにであうのはこの地球の生活の中でしかない。田舎道の水たまり、大空に浮んでいる雲、河原の石、壁にできたしみ、山のかたちや大きさ、自然の心を持った子どもの作品も私の作品のヒントになる。それらはヒントになるのであって、そのまま写生するのでは全くない。作品は自分のすきな空間を創ることなのだがどうしてすきなのか、すき、きらいの感情も考えれば個性である。私が面白いと感じるかたちはどこか陽気である。それは自分が楽天的で、何ごとも肯定的にものごとを考える性格だからかもしれない。「過去の自分を否定してそれを乗り越えて行くのは新しい作品を生みだす精神である」と、聞いたり読んだりしたことがあるけれど、それは違うと思う。過去があるから現在があるので、過去を否定して今存在することはできないだろう。…
        元永定正 (『草月』240号 草月出版 1998年10月)
略歴

1922三重県生。55「具体」会員。66~67ニューヨーク滞在。83日本芸術大賞。2011逝去。

 
 
 
2018年7月24日(火)-9月1日(土) 松尾 藤代 展
2018-07-17
Total Loss Room
松尾 藤代 展 FUJIYO MATSUO
-窓の光‐小品の世界-
7月24日(火)-9月1日(土)
 
略歴
大阪市生。91/大阪芸大卒。個展:仙台市博物館、名古屋画廊、ケルン、パリ、プラハほか。グループ展:97/ビエンナーレまくらざき〈佳作賞〉(鹿児島)、吉原治良賞美術コンクール〈優秀賞〉(大阪府立現代美術センター)、Depth of Focus 絵画の焦点深度と浸透圧について(芦屋市立美術博物館/兵庫)、光の方へ…(京都市美術館)。98/VOCA'98(上野の森美術館/東京)、シェル現代美術賞展(目黒区美術館)。99/現代日本絵画の展望展(東京ステーションギャラリー)。00/水晶の塔をさがして(福岡市美術館)。02/いま、話そう-日韓現代美術展(国立国際美術館/大阪、韓国国立現代美術館/ソウル)ほか。2011~ケルン(ドイツ)在住。所蔵:国立国際美術館ほか。
 
「松尾藤代展」は名古屋画廊だけでなく、
以下のとおりNCAMによる企画展でも開催されます。
不透明なメディウムが透明になる時
新世代のアーティストたち

7月24日[火]-8月5日[日]’18
11:00a.m.-7: 00p. m.(最終日は5:00p.m.まで)
7月30日[月]休館 入場無料
電気文化会館5F 東・西ギャラリー〔名古屋画廊ブース〕
http://www.chudenfudosan.co.jp/bunka/denbun
 
2018年6月30日(土)-7月10日(火) 上田 薫 展
2018-04-20
《なま玉子L》 1987年
画集刊行記念
上 田 薫 展 KAORU UEDA
-ユレイカの瑞々しい耀き-
6月30日(土)-7月10日(火)
 
「写真はイメージです」上田薫。ひたすらにイメージであること
「写真はイメージです」…商品を紹介するチラシなどの印刷物の隅のほうに小さく印字されていることが多い短文。ほぼ同語反復であって、文章としては無意味に近い。実際には、印刷された写真と一体となってかろうじてその意味を伝える。「写真は(現実ではなく)イメージです」という意味がそのとき浮上してくる。
しかし、「写真」という言葉には「真」という漢字が含まれている。ひとはどうしても「真実」あるいは「現実」の反映をそこに期待してしまうのだ。
その期待をあえて踏み抜いて、それがどこまでも「イメージ」であることを看破する。
1958年に南画廊で画家としてデビューを飾った上田薫が、いったん絵画制作を中断し、1970年を境に、抽象表現主義的な身振りや感情の「真実」や「現実」を脱ぎ捨て、イメージそのものに収斂しえた背景にはそのような洞察があった。
いうならばイメージを裸にした。イメージにまつわる夾雑物をきれいに取り除いた。広告宣伝がオブジェとしての商品を主役にするように、上田薫も、たとえば中空で割れて中身が流れ落ちる生卵だけを描いた。それは空虚ななにもない空間に宙吊りにされている。細部はどこまでもリアル。だが、状況は非リアルである。あくまでもイメージはイメージでしかないからだ。
そのことを洞察した上田薫のイメージ群は、いまなお驚くべきイメージの純度と強度を保っている。
「写真はイメージです」…そのメッセージを画家は発見した。「ユレイカ(我、発見せり)」の瑞々しい耀きがそこには宿っている。
水沢 勉(神奈川県立近代美術館館長)
略歴
1928/東京都生。54/東京藝術大学卒業。56/MMG社ポスター国際コンクール〈国際大賞〉。58/個展(南画廊)。72~77/ジャパン・アート・フェスティバル〈75/優秀賞〉。74/日本・伝統と現代(デュッセルドルフ美術館)。75・76現代日本美術展〈75/東京国立近代美術館賞76/群馬県立近代美館賞〉。75・78/安井賞展。77~84/国際形象展。79~84/明日への具象展。84~88/具象絵画ビエンナーレ。2000/日本美術の20世紀(東京都現代美術館)。17/上田薫展(神奈川県立近代美術館葉山)。
 
 
 
2018年5月26日(土)-6月6日(水) 木下 晋 展
2018-04-20
《視線の行方》 2017年
木 下 晋 展 SUSUMU KINOSHITA
-沈黙の深さ-
5月26日(土)-6月6日(水
 
レセプション:初日 4:30p.m.-6:00p.m.
皆様のご来駕をお待ち申し上げます。
 
【関連講演会】 「死を見つめながら命を生きる」
講師:木下晋 5月26日[土] 14:00p.m.~15:00p.m.
アート倶楽部カルチェ・ラタン 名古屋池下
URL:http://www.quartier-latin.jp Tel.052‐751‐8033 ※要予約
 
木下晋展―沈黙の深さ
木下晋の鉛筆画の前を通り過ぎることはできない。誰もがしばし佇み、凝視せざるを得ない。細密な描写もさることながら、人物の圧倒的な存在感にたじろぐ。喩えようのない沈黙の深さがそこにある。硬さの異なる22段階もの鉛筆の濃淡によって描き出されるが、単なる写生ではない。白黒の階調には無限の色彩が感じられる。モデルと出会い、濃密な時間を共有しながら、それぞれの人生が塗り込められる。それは、木下自身の過去とも重なる。
放浪癖の母のもと、孤独とともにたえず差別や貧困に直面してきた木下にとって、自らの命運は当初手がけた彫塑や油彩ではなく、経費を最小限に抑えられ、独自の絵になりうると直感した鉛筆画に託すしか方法がなかった。ニューヨークで幼少期の体験を聞かされた荒川修作は、木下に「君は芸術家として最高の環境で育った」と語ったという。木下はその後、確執のあった老母を散歩途中の事故で亡くす直前まで描き続けた。
回顧的な個展は名古屋では初めて。初期の自画像から、ホームレスの後ろ姿、辛酸をなめ尽くした瞽女小林ハルと並んで、最も重要なモデルであったハンセン病元患者の詩人桜井哲夫を捉えた代表作など、最新作を含め、木下晋の世界に触れる絶好の機会である。
島敦彦 (金沢21世紀美術館館長)
 
略歴
1947/富山県生。63/麻生三郎の指導を受ける。自由美術展。69/評論家・瀧口修造と出会う。72/現代画廊の洲之内徹と出会う。73/滞欧。83/無形文化財の瞽女・小林ハルをモデルに制作を開始。2006/元ハンセン病の詩人・桜井哲夫をモデルに制作を開始。08/アジアとヨーロッパの肖像展(国立国際美術館など)。10/瀬戸内国際芸術祭。17/ヨコハマトリエンナーレ。個展:池田20世紀美術館、東御市梅野記念絵画館、平塚市美術館ほか。
教職歴:東大大学院工学系研究科建築学専攻非常勤講師、武蔵野美大非常勤講師、名古屋芸大特別客員教授、金沢美大大学院専任教授など。
 
 
 
2018年4月24日(火)-5月14日(月) 中西 夏之 展
2018-04-20
《K.T.像(金属粉末による)》
中西 夏之 展 NATSUYUKI NAKANISHI
-緩やかにみつめる時間のために-             
4月24日(火)-5月14日(月)
 
レセプションご案内:初日 5:00p.m.-6:30p.m.
皆様のご来駕をお待ち申し上げます
 
【関連講演会】「美術家中西夏之の思紋をたどって」
講師:馬場駿吉 4月24(火)13:00p. m.~14:00p. m.
アート倶楽部カルチェ・ラタン、名古屋池下
URL:http://www.quartier-latin.jp Tel.052-751-8033 ※要予約
 
中西夏之の思紋ふたたび        
日本の現代美術作家の中でも、ひときわ重要な存在だった中西夏之が他界してから早くも1年半ほどが過ぎました。名古屋画廊ではその逝去の前後から中西が創作の場―ことに絵画表現の場で何を考え、何を可視化して来たかを示す個展を小規模ながら粒ぞろいの絵画作品によって開催して来ました。今回はその3回目に当ります。今は遺作となった作品、制作ノート、記録などはおびただしい数にのぼりますので、中西夏之の全貌を多方向から見直すには、これからも綿密な観点からの整理と評価が必要かと思われます。中西作品を私はかつて、指紋という言葉になぞらえて、氏の思考からにじみ出た〈思紋〉だという解釈の下に一文を記したことがありました。今回、展示される作品は制作年代的に、前回出展作と多少相前後するというものもありますが、彼が絵画制作に当って考えて来たシリーズのテーマも互いに相乗り状態となっているところもあります。すべての考えが一定の方向のみでなく、時には螺旋状の反復を表すことなどがあるのもまた興味深いところです。
 中西夏之の思考がどんな形をとり、どんな色彩によって〈思紋〉として表現されているかを今回もぜひお確かめ下さい。       
馬場駿吉(名古屋ボストン美術館館長)
※本展は馬場駿吉著『美術家中西夏之の思紋をたどって』(書肆山田)の刊行を記念するものでもあります。
 
略歴
1935年東京生まれ。初期の前衛的活動の後、60年代後半からは絵画制作が仕事の中心に据えられている。その作品は、様々な主題や要素への取り組みが連鎖、関連し、複雑に影響し合って成り立つという非常に独創的なものであり、常に日本を代表する作家として存在感を示してきた。近作「連れ舞」シリーズ。また、絵画を主体としつつも、インスタレーションやパフォーマンス、リヨン・オペラ座などの舞台装置を手がけるなど、その表現形態は幅広い。これまでに美術館での個展を数多く開催、主要な美術館に作品が収蔵されている。近年では2012年にニューヨーク近代美術館での「TOKYO1995 -1970:新しい前衛」展へ出品、2013年には国内で「ハイレッド・センター:「直接行動」の軌跡」展が開催されるなど、初期の活動も再注目されている。2016年、逝去。
※「モネ それからの100年」展(4月25日~7月1日 名古屋市美術館)に中西作品が2点出品されます。
 
 
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