展覧会のご案内
11月14日[金]-12月1日[月]吉岡 弘昭 展 -野犬の視線、慈愛の眼-
吉岡 弘昭 展
HIROAKI YOSHIOKA
-野犬の視線、慈愛の眼-
11月14日[金]-12月1日[月]’25
11:00a.m.-6:00p.m. 日・祝休廊
(土曜日 12:00p.m.-5:00p.m.)
名古屋画廊
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吉岡弘昭展
YOSHIOKA Hiroaki Retrospective
11月15日[土]-12月21日[日]’25
碧南市藤井達吉現代美術館
YOSHIOKA Hiroaki Retrospective
11月15日[土]-12月21日[日]’25
碧南市藤井達吉現代美術館
主催:碧南市藤井達吉現代美術館、碧南市、碧南市教育委員会/共催:中日新聞社/ゲストキュレーター:栗田秀法
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■吉岡弘昭:野犬の視線、慈愛の眼
栗田秀法
吉岡弘昭は、犬のまなざしを標榜している。対して夏目漱石は、猫のまなざしを掲げた。野犬と飼い猫の視線の相違が作品世界に異なる味わいを与えている。吉岡はアウトローならではの刺すような視線で世界を揶揄する。社会の片 隅から鋭く世相を射抜く視線は、孤塁を守り戦後の混乱と再生を生き抜いた者ならではの実感が滲み出ているかのようだ。漱石は親密なまなざしで身近な存在を皮肉る。『吾輩は猫である』に象徴される、知識人の余裕と諦念を漂わせる。その視線は、当時のエリート層の傍観者的な生き方と重なり合う。こうした両者のまなざしの対比は、作者それぞれの時代観や人生観を色濃く映し出している。忘れてはならないのは、吉岡作品の根底に潜む、生きとし生きる者に対する慈しみのまなざしである。野犬の鋭さと救助犬の温もりが同居するその視線には、人間への深い共感と優しさが息づいている。ここにこそ、吉岡芸術の真髄があるように思えてならない。(跡見学園女子大学教授・名古屋大学名誉教授)
■略歴:1942/名古屋市生。63~66/二科展。66/第7回現代日本美術展(毎日新聞社主催、東京都美術館)。67/第2回フランス政府留学生選抜毎日美術コンクール入選作品展(毎日新聞社主催)。68/『自立芸術』を石井守、中村英樹、御澤昌弘らと刊行。73/針生一郎企画の個展(ピナール画廊、東京)。78/「現代の諷刺画展」(針生一郎企画、東京都美術館)。81/名古屋市・ロサンゼルス市交換美術展-名古屋現代絵画展(ロサンゼルス市民美術館)。87/名古屋市芸術奨励賞。89/ニュージーランド日本版画展(オークランド博物館)。第18回リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展招待出品。90/アートは楽しい(ハラミュージアム・アーク)。90・94/第7・9回ソウル国際版画ビエンナーレ展(招待出品)。94/4人の日本版画展(ロップス美術館、ベルギー)。95/世界の版画・戦後50年展(針生一郎企画、神奈川県民ギャラリー)。2001/個展(佐喜眞美術館、沖縄)。06/瞑想回廊第26回企画・吉岡弘昭展(碧南市哲学たいけん村無我苑、愛知県)。10/個展(伊勢現代美術館)。12/魔術/美術、幻視の技術と内なる異界展(愛知県美術館)。21/個展(長久手市文化の家、愛知県)。22/令和3年度名古屋市芸術特賞。個展(名古屋画廊)。25/吉岡弘昭展(碧南市藤井達吉現代美術館、愛知県)。
吉岡弘昭は、犬のまなざしを標榜している。対して夏目漱石は、猫のまなざしを掲げた。野犬と飼い猫の視線の相違が作品世界に異なる味わいを与えている。吉岡はアウトローならではの刺すような視線で世界を揶揄する。社会の片 隅から鋭く世相を射抜く視線は、孤塁を守り戦後の混乱と再生を生き抜いた者ならではの実感が滲み出ているかのようだ。漱石は親密なまなざしで身近な存在を皮肉る。『吾輩は猫である』に象徴される、知識人の余裕と諦念を漂わせる。その視線は、当時のエリート層の傍観者的な生き方と重なり合う。こうした両者のまなざしの対比は、作者それぞれの時代観や人生観を色濃く映し出している。忘れてはならないのは、吉岡作品の根底に潜む、生きとし生きる者に対する慈しみのまなざしである。野犬の鋭さと救助犬の温もりが同居するその視線には、人間への深い共感と優しさが息づいている。ここにこそ、吉岡芸術の真髄があるように思えてならない。(跡見学園女子大学教授・名古屋大学名誉教授)
■略歴:1942/名古屋市生。63~66/二科展。66/第7回現代日本美術展(毎日新聞社主催、東京都美術館)。67/第2回フランス政府留学生選抜毎日美術コンクール入選作品展(毎日新聞社主催)。68/『自立芸術』を石井守、中村英樹、御澤昌弘らと刊行。73/針生一郎企画の個展(ピナール画廊、東京)。78/「現代の諷刺画展」(針生一郎企画、東京都美術館)。81/名古屋市・ロサンゼルス市交換美術展-名古屋現代絵画展(ロサンゼルス市民美術館)。87/名古屋市芸術奨励賞。89/ニュージーランド日本版画展(オークランド博物館)。第18回リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展招待出品。90/アートは楽しい(ハラミュージアム・アーク)。90・94/第7・9回ソウル国際版画ビエンナーレ展(招待出品)。94/4人の日本版画展(ロップス美術館、ベルギー)。95/世界の版画・戦後50年展(針生一郎企画、神奈川県民ギャラリー)。2001/個展(佐喜眞美術館、沖縄)。06/瞑想回廊第26回企画・吉岡弘昭展(碧南市哲学たいけん村無我苑、愛知県)。10/個展(伊勢現代美術館)。12/魔術/美術、幻視の技術と内なる異界展(愛知県美術館)。21/個展(長久手市文化の家、愛知県)。22/令和3年度名古屋市芸術特賞。個展(名古屋画廊)。25/吉岡弘昭展(碧南市藤井達吉現代美術館、愛知県)。

