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企画展開催スケジュール

2012年11月12日(月)-11月26日(月)スボード・グプタ 展
2012-10-04
≪There is always cinema (Ⅱ)≫ 2008年作 木製什器、ニッケル、真鍮 130×80×70 cm
スボード・グプタ
The Pioneering Artists of the 21st Century-No.2
スボード・ グプタ 展 SUBODH GUPTA
-Old & New、さりげなく-
11月12日(月)-11月26日(月)
 
オールド&ニュー・シネマ・パラダイス!
 サン・ジミニアーノでのグプタの展覧会《いつも映画館がある》は、僕に映画『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年)を想起させる。彼が生れ育ったインド西北部の小村にも一軒の映画館=劇場があったという。そしてグプタは最初、5年間、演劇や映画の俳優だったのだ。
 グプタはいつも人間生活のなかの、スクーターから日常雑器まで、さまざまなものを用いてきた。でもそれは、1960年代の「Accumulation」とはちがって本物ではなく、型を取って、ステンレス・スティール、真鍮、アルミなどで(しばしば大量に)作ったものである。
 サン・ジミニアーノのガレリア・コンティニュアは元は映画館だったので、映画館だった頃のさまざまなものが残っていた。それを見せられたグプタに子供の頃の故郷の映画館の記憶が甦る。これを使おう-かくして、《いつも映画館がある》という展覧会が実現した(2008年)。
 興味深いのは、型の元になった実物(オブジェ・トゥルベ)と型を取って作ったものとがセットになった作品があることだ。「実物」と型取り品との間には時間差が生れ、その二つが什器の中で仲良く並んで、過去と現在とがさりげなく繫がっている。『ニュー・シネマ・パラダイス』から20年後、中年に差し掛かったグプタは、シチリアではなくサン・ジミニアーノで、一人の「少年トト」でもある。
千葉成夫(美術評論家、中部大学教授)
 
略歴
1964/インド・ビハール州カゴール生。88/パトナ美術工芸大学絵画科卒。その後、インド社会の急速な都市化や高度経済成長を、金属器などを用いたオブジェやインスタレーションで象徴的に表わして頭角をあらわし、今日ではインド現代美術を代表する作家となる。99・2009/福岡アジア美術トリエンナーレ(福岡アジア美術館)。08/チャロー!インディア(森美術館)。
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