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企画展開催スケジュール

2016年4月14日(木)-26日(火)吉原治良【覚えがき】展
2016-04-01
《作品》 1967年作 墨・紙
《作品》 1967年作 墨・紙
吉原 治良【覚えがき】展  JIRO YOSHIHARA
「円」へ ―思考と試行―
4月14日(木)-26日(火)
 
吉原治良の素描
 吉原治良の素描はまるで意識を否定するかの如く、一瞬をとらえ、出来るだけ素直に描いている。絵画を制作する意識とはまた別の意識によって、むしろ無意識に近く、態(わざ)と下手に描いているようでもある。私の推測だが、ある素描は、眼を瞑(つむっ)て一気に描いたのだろうか。瞬間の手の動きは偶然性を生かし直感により描かれている。此れら、素描の幾つかを大作にも繋げている。キャンバスに描く時はどうしても身構える傾向が無きにしも非ずだが、画紙の柔らかな面に、鉛筆、クレヨン、水彩、墨で暗示を含めて素早く気ばらずに描く形は自然体でスケッチブックに残る。再び、スケッチブックを視る時、其れ等の形を創作に繋げるか、紙に描かれた素朴な美を尊重するかの二つの判断が生じる。其の儘に残しておく場合は、自然になんの躊躇(ためらい)も無く描かれた形と美そのものである。一瞬に描いた行為は直感であって、客観性を伴ってなく、時間の流れと共に別の視覚意識が生じ、内心を客観視出来る。そして、絵画にするか、しないかの判断がはたらく。絵画にする際、キャンバスの布地の質感と大きさの大小に、新たに創作される形と、余白を、素描の良さに如何に繋げていくかである。既に、描いた素描の美にこだわる様で、こだわらない。ただ今の創作意識をもって、動因意識をはたらかせて独創性のある作品に繋げていかなければならない。異なる材質の油彩やアクリリックで描かれた絵画は絵具とキャンバスの物質、即ち、マチエールの厚みが生じ、此れは素描の自由性とは別の表層をみせる。
松谷武判(画家、在フランス)
  
 
略歴
1905/大阪市生。29/藤田嗣治の激励をうける。34/二科展初入選。 38/二科会の前衛作家による「九室会」結成に参加、会員となる。52/「現代美術懇談会(ゲンビ)」(大阪)の発足に参加、幹事となる。54/「具体美術協会」を17名で結成、代表となる。57/ミシェル・タピエと大阪で交流。58/海外での具体展のため渡欧米。62/活動拠点として「グタイピナコテカ」(大阪中之島)を開館。64/グッケンハイム国際賞展。70/大阪万博お祭り広場にて「具体美術まつり」。71/インド・トリエンナーレ〈ゴールドメダル〉。72/逝去(67歳)。具体美術協会解散。
 
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