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企画展開催スケジュール

2016年10月28日(金)-11月11日(金)久野真展
2016-08-01
《星》1994年作
《星》1994年作
久野 真 展 SHIN KUNO
-画面空間の統合-
10月28日(金)-11月11日(金)
 
大きな画家・久野真
 久野真さんの作品は時代によって、画面から受ける印象の幅は大きい。その中で私の心に穏やかさを与え、芸術家としての存在の大きさを感じさせるのは、1994年の大作、題名《星》である。
 1988年までの20年あまりは、鈍く磨かれたステンレス板を直線に切った、深い溝のある厳しい画面で、不安を伴った緊張感のある表現が続いた。そのことについて、彼は曲線には見る人に情緒や感情を刺激する軟弱さがある、として拒否をしている。久野さんの作品のイメージは大よそ、この傾向の時代によって作られたように思う。
 私の母校でもある、市工芸の教員時代の彼は板の上に石膏を流し、古布の模様を押し広げたり、鉄板をハサミで切り、バーナーで炙ったりしている。その後も鉛板にしわを作り、直線との対比を強調してもいる。材質感や制作の即興性も感じさせて、見る人の感情を刺激する作品という印象が強い。
 最初にあげた《星》作品には、もはや鋭さや厳しさは影を潜め、画面空間を統合する意志がうかがえる。軽快な直線に再び曲線が加わりその間に大らかな空間を抱き、ゆったりした絵画空間を創出していて、久野真さんの全体像がそこには立ち現れている。
庄司達(造形作家)
 
略歴
1921/名古屋市生。61/ピッツバーグ国際美術展(カーネギー財団主催)。61~98/個展(東京画廊11回)。61~93/個展(桜画廊9回)。64/現代日本美術展(ワシントン・コーコラン美術館)。65/新しい日本の絵画彫刻展(サンフランシスコ美術館)。69/日本作家によるドローイング展(ロサンゼルス市立美術館、サンフランシスコ市立美術館)。73/個展(ビリアーズ画廊、シドニー)、日本現代美術展(N.S.W.州立美術館、シドニー)、個展(リアリティ画廊、メルボルン)。86/瞑想と戯れの抽象絵画展(奈良県立美術館)、日本現代美術展(台北市立美術館)。98/久野真・庄司達展(愛知県美術館)。98/逝去(78歳)。
所蔵:東京国立近代美術館、愛知県美術館、大原美術館、ニューヨーク近代美術館、カーネギー美術館ほか。
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