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企画展開催スケジュール

2016年11月18日(金)-26日(土)八島正明展
2016-08-01
《兄妹の渡る橋》 1994年作
《兄妹の渡る橋》 1994年作
画集刊行記念
八島 正明 展 MASAAKI YASHIMA
-人がかつてそこに居た「形跡」-
11月18日(金)-26日(土)
 
意外性を持つ絵画
 描きたいから描くのではなく、描く必要にかられて描き続ける画家はそう多くない。一貫したテーマを追う八島正明は、間違いなく後者に属する画家である。その根本にあるのは、戦後まもなく亡くなった弱者としての妹の死であった。まだ幼かった自分には助けることもできなかった妹に対する心痛の念は、顔も思い出せない妹の記憶を何度も辿る使命を背負うこととなった。そして、妹のイメージを絵画の世界で成長させることは、人がかつてそこに居た「形跡」や、存在そのものを問いかけることと深く連なっていった。
 夕刻には山影に覆われるという藤原岳の麓で、八島はずっと制作している。油絵具を筆で塗り重ねて像を結んでいく一般的な手法ではなく、母親の象徴的イメージであった裁縫の針で油絵具を掻き削る。私たちが日常意識しない、あるいはしたくない一過性としての個々の生命の意味を、削るという手法で呈示した八島の作品を前にすると、気が滅入るかと思いきや、意外と落ち着いた気分になれるのはどうした理由であろうか。
田中善明(三重県立美術館学芸員)
 
略歴
1936/三重県生。59/三重大学学芸学部卒。67・70・74/シェル美術賞展。69・74/ジャパン・アート・フェスティバル(パリ・モントリオール)。75/安井賞。77・97/現代日本美術展。78/日本国際美術展。79~82/明日への具象展。85・89/具象絵画ビエンナーレ。87/八島正明展(東京・西武アートフォーラム)。96/現代日本選抜展、小磯良平大賞展〈佳作賞〉。96・01/大阪国際トリエンナーレ。05/八島正明展(伊勢現代美術館)。06/個展(名古屋画廊)。08/現代のコンフィギュレーション(岡崎市美術博物館)。10/針生一郎が選んだ愛知60年代の現代美術展(堀美術館)。13/八島正明展(三重県立美術館)。現在、無所属。
所蔵:東京国立近代美術館ほか。
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