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企画展開催スケジュール

2017年9月30日(土)-10月7日(土) ジル・サックシック展
2017-09-26
《水銀色のポロネギ》 60×76cm(20号)
《水銀色のポロネギ》 60*76cm
ジル・サックシック展 GILLES SACKSICK
-深く静謐な世界を描く執念-
9月30日(土)-10月7日(土)
 
【関連講演会】「吾が友、ジル・サックシックとの歩み」
講師:土井隆志(美術評論家) 9月30日[土] 11:00 a. m.~12:00p. m
アート倶楽部カルチェ・ラタン、名古屋池下
URL:http://www.quartier-latin.jp Tel.052-751-8033 ※要予約
 
深く静謐な世界を描く執念  
 フラッシュで目がくらみ、ボリュームいっぱいの騒音で耳を聾された我ら現代人の関心をひくのは、もはや容易ではない。マスメディアの手を借りないことには我々のたるんだ琴線をふるわすことはできないのだ。しかもそこにはオブラートに包んで呑みやすくした起爆剤も巧い具合に仕込まねばならない。いまやそれはどんな領域にも共通しているように見える。ますますエスカレートするゲームと金切り声から、絵描きでさえ免れられない。映画にひとあし遅れて絵画もトーキーになった。その結果、聞く者に劣等感を与える言い回しで勝手な個性を主張する、はったりだけの絵描きが世にあふれた。彼らの口の端からこぼれ落ちる言葉をいくつか拾い集めるだけでも、おおいに役立ちそうだ。「時間的構造化」、「直観的主観性」、「個別的心理現象学」、もちろんまだまだある。たまたま拾いあげるそんな言葉だけで、文章はいかにもそれらしく、知的かつ手短かにまとまるに違いない。だがわたしは、その手を諦めざるを得なかった。そもそも勘違いばかりのエリートを喜ばせる気などなく、犠牲覚悟でいっさいの妥協を拒むサックシックにそんな欺瞞は通用しないからだ。常人ならば、木っ端微塵にくだかれただろう厄介な大渦に巻き込まれたというのに、彼は深く静謐な世界を描く執念とともに再びおもてに浮かび出た。自分を取り巻く現実にかかずらうことなく生みだされる作品こそ、真のフィクションとはいえないだろうか。
ロベール・ドワノ(写真家)
『芸術家たちの肖像 ロベール・ドワノ写真集』
(2010年、岩波書店、堀内花子訳)より抜粋
 
略歴
1942/パリ生まれ。68/初個展。以来、個展を中心に発表活動(ロンドン、ニューヨーク、東京、大阪、名古屋画廊〈2007〉等)。79/ポール=ルイ・ウェイエール肖像画大賞を受賞。79- 81/カーサ・ヴェラスケス(マドリッド)に寄宿生として滞在。87・2000/個展(ゴヤ美術館、キャストル)。93/個展(サン・タニェス礼拝堂、パリ)。97/個展(ブールデル美術館、パリ)。02/アンドレ・ドテール「ル・シェルシュール・ドール」出版記念展(シェ・アール・エ・リテラチュール、パリ)。04/「親密なる動物寓話」展(フラゴナール美術館、メゾン・アルフォール)。映画「サックシック・エ・ラ・クルール・デュ・タン」が第28回国際ユネスコ芸術映画祭審査員推薦映画に選出され上映される(パリ)。17-18/ジル・サックシック展(11月7日~1月14日、東御市梅野記念絵画館、長野県)
 
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